第六話

影の怪物との激戦から三年後―
部屋から5人が出てきた。
「これで金的は威力上昇だな。」
楓真。
「私はもっと合理的に訓練したわ。」
怜。
「僕も、苦無以外にも手裏剣とか、使えるようになりました。」
宥。
「スマホ使えたからラッキーだったぜ。ゲームのログボももらえるし」
雄心。
そして―
「…久しぶりの外の空気だ。」
柳。
全員が外に出ると、そこに比良が待っていた。
「みんなお疲れ。今日からだよ。逗人大乱。」
「!」
数時間後、全員は委員会の本殿に集まった。
「待っておった。」
そこには委員長がいた。
「お前らは怪物を殺すことが仕事だ。しかと心得よ。」
「はい!」
そこに大澤が出てくる
「皆さん久しぶりです!」
「大澤っち!久しぶりじゃん。」
雄心が言う。するとそれを見ていた比良が言った。
「逗人大乱では僕らは単独で怪物を殺して回る。だから、補佐官の君たちが、柳をちゃんと守るんだぞ。」
その瞬間、空が真っ暗になった。
「やあやあ皆さん。ごきげんよう。」
空には逗填が映し出された。
「今日から逗人大乱を始めます。今、1000体の怪物を放出しました。頑張ってくださいね。」
すると再び空が青になった。
「…」
柳が口を閉ざしていた。
「どうした?柳。」
「何かが…妙だ…」
大澤が言った。
「皆さん。こちらを。」
大澤が取り出したのは巨大な電子日本地図だった。
「炎や水ほどの膨大な力を持つ怪物はここに映し出されます。」
「なるほど。さしずめ、炎がここで水がここか…」
柳が地図を指さしながら言った。
「僕的には最初は強い怪物との接敵は避けたいね。」
比良が言うと、全員がうなずいた。
「雑魚から潰そう。」
「だな。賛成。」
すると、楓真がおもむろに手をあげた。
「あのー…僕らが訓練してる時の怪物って…」
すると比良がにっこりと笑った。
「安心して。それは僕と大澤とついでに石森で毎日倒してる。だから今いるのはピッタリ1000体。」
そこに石森が首を突っ込む。
「あ、でも、一つ気になることがあって、3年前、逗填は今日からと言っていたのに、その日の怪物が探知できていないんです。」
比良は少し真面目な顔をした。
「俊敏の前の日は一般人でも倒せるレベルだった。だからきっと、初日は一般人が斃してると思うけどね…」
大澤も続ける。
「比良の言う通りですし、探知機には1000体しか映っていません。これはどんな微弱な怪力でも探知できます。」
「か、かいりょく…?」楓真が頭を掻いた。
「怪力とは、怪物が放つ気配の事です。平安時代ごろまでは呪力と呼ばれていたそうですが、式神文化の荒廃とともに怪力へと変わっていった。って配った教科書に書いてましたよ。」
大澤の冷静なツッコミに全員が失笑した。
「は、はは。楓真、勉強はしておいた方がいい。」
比良の失笑は楓真も見たことが無く、ヤバい。と本能で理解した。
委員長が静かに言った。
「少し良いか。」
全員が向き直った。
「うむ。実は柳と他4名に通達がある。」
5人が息を呑んだ。
「1000体の怪物は柳めがけて少しずつだが集まってくる。よって、5人には寮を出てもらい、地方のシェルターに移ってもらう。」
「わかりました!」

5人がシェルターの場所へと向かうと、違和感があった。
「あれ…?委員長、一軒だけ建ってるって言ってたけど、二軒あるな。」
「でも、GPSはここだって…」
すると、宥が言った。
「こっちの家、僅かだけど怪力を感じる。この家は怪物…」
宥が言い終わる前に、窓からすさまじい速度で石が飛んできた。
「うおっ!」
楓真がギリギリで避けると叫んだ。
「こいつッ!家の形してて金的できねぇ!」
「お前は金的以外の技が出来ないのか。」
「そういう柳もかっこつけデコピンだけでしょ?」
「黙れ。この程度俺一人で十分だ。お前らは引っ込んでろ。」
「はいはい。いわれなくてもそうしますよ!お前と共闘とかまっぴらごめんだ。」
その様子を怜たちは冷ややかな目で見ていた。
「あいつら、学習しないのかしらね。」
「きっと、喧嘩するほど仲がいいんだよ。」
柳は静かに家の怪物に歩み寄ると、ドアから中に入った。
「え?」
楓真も拍子抜けした。
「入れるの?あれ。」
それから数秒後、家の怪物が揺れたかと思うと、あっという間に崩れ去った。
「終わった。シェルターはいるぞ。」
「お、おう。」
柳の圧倒的戦闘力。楓真らは3年間見ていなかった。彼自身も成長したのである。
それから数日は、シェルターによってきた怪物を倒し続ける日々が続いた。
人型をした怪物には楓真の金的で、宥や怜は柳が戦っている途中の抑えとして、雄心は後方支援ととどめを担っていた。
ある朝、不安定な2体分の怪力を感じた宥が外に出ると、驚異的な光景が広がっていた。

つづく

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